いにしへの 奈良の都の 八重桜
けふ九重に にほひぬるかな(伊勢大輔)
花の色は かすみにこめて 見せずとも
香をだにぬすめ 春の山風(良岑宗貞)
春といえば 桜 、花といえば 桜 、という共通認識が平安の昔から現在に至るまで続いているくらいに、 桜 は日本人にとって大きな存在です。
「 左近の桜 」「右近の橘」といえば、お雛様の代表的な小道具の一つとして知られています。
桜 の花言葉は「精神の美」「優雅な女性」、花弁がより多い八重桜では「おしとやか」「豊かな教養」と、女の子の幸せを願って送るお雛様にぴったりな存在です。
前回の記事で「右近の橘」について書きましたので、今回はその対となる「 左近の桜 」について書きつつ、来る春に思いを馳せていただければと思います。
「 左近の桜 」「右近の橘」は御所の中にある紫宸殿の正面に植えられています。
それぞれ植えられるようになってから1000年以上経っており、幾世代を経て、現在も大事に育てられています。
桜 という名前の由来は、神話に登場する神様の名前から、穀物の神様の依代から、とか様々な説があるそうです。
実際に、昔の日本においては季節の変化を告げる役割があったそうで、 桜 は日本の自然、文化に根差した重要な存在でした。
平安時代半ば、国内で文化が醸成されていく中で、 桜 は春を象徴し、花を代表する存在となっていきます。
季語の中でも代表的な語句である雪月花―冬の雪、秋の月、春の花―というところにもそれが見られます。
「 左近の桜 」が植えられた任明天皇の御代(833年~850年)は、そのような日本的な文化が花開く時代の先駆けであったと言われており、
「 左近の桜 」は日本的な美が公的な場で表現された重要なものと考えられているようです。
雛祭りが行われる春をイメージするお雛様では、「 左近の桜 」を始め、台や屏風、衣装など様々なところで 桜 が用いられています。
ひなやでも様々なところに桜が使われています。
寒い日が続く今日この頃、ひなやでお雛様と桜を眺め、暖かな春の気配を感じてみませんか。
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