新春 、心が晴れ晴れとする響きです。
春の初め、まさに物事の始まりの端緒といった感じを抱きます。
新春 という文字はお正月気分に包まれた街のそこここでよく見かけます。
かく言う私たちも、つい先日、新春 をブログに使ったばかりだったりします。
さて、この 新春 という言葉、おめでたい雰囲気は確かなのですが、何も寒さが一段と厳しいこの1月に使うものでも……という気がしないでもないです。
いわゆる「暦の上では」という枕詞が付く時候の挨拶の一つですが、
そこには日本の暦と季節が関係しているそうです。
そこで今回は、 新春 という言葉を通して、日本の暦について書いていきます。
現在、私たちが使っている暦は「グレゴリオ暦」という、明治時代の初めに西洋から導入した暦です。
それまでは「天保暦」という江戸時代に作られた暦が使われていました。
この二つの暦には大きな違いがあります。それは、暦を決めるうえでの基準を太陽と月のどちらにするかです。
グレゴリオ暦は太陽の動きを元に暦を決める「太陽暦」というグループです
太陽暦は太陽の影響を強く受ける季節の移り変わりと暦の動きが一致します。
一方、月の満ち欠けで暦を決める「太陰暦」は1年が350日余で計算するため、季節の変化と全く関係なく日付が進みます。
そこで、太陰暦に閏月を加えて太陽の動きと齟齬を少なくしたものが
「太陰太陽暦」というグループで、天保暦はこの考えで作られたものでした。
この「天保暦」から「グレゴリオ暦」への改暦、随分と慌ただしく行われたものらしく、「12月3日」(天保暦)を「1月1日」(グレゴリオ暦)に改める、というものだったそうです。
間の悪いことに、この年の天保暦は閏月を含む年だったため、
結果として1か月以上日付が繰り上がってしまったのだとか。
現在、「旧暦」といえばこの天保暦を元にしたものです。対する「新暦」は私たちが今使っているグレゴリオ暦です。
なので、旧暦で日付を調べると、新暦から一か月前後のずれが生じます。
さて、このずれで影響を受けたのが、季節ごとの様々な行事や習慣です。
7月7日の七夕は、新暦では梅雨の最中で星を見るには少し厳しい季節です。
一方の旧暦7月7日は、新暦で八月中旬頃、夏場の晴天が続く頃ですね。
私たちが大事にしている雛祭りもそんな行事の一つで、
雛祭りが行われる3月3日は「桃の節句」とも呼ばれています。
また、用いられる意匠には春をモチーフにしたものが多く、特に桜は代表格と言っていいのではないでしょうか。
新暦の3月3日は梅の花が咲くくらいで、桜や桃の花は少し厳しいかもしれません。お雛様を通して春を感じるという楽しみ方は、新暦ならではなのかもしれませんね。
旧暦3月3日は新暦で3月下旬から4月中旬、まさに春の盛りという頃です。
私たちが度々旧暦を口にするのは、このように行事と季節とを意識して楽しんでいただければという思いも含まれています。
話は戻りまして 新春 ですが、今の話を踏まえると旧暦の1月1日は2月の前半くらいでしょうか。少しだけ春が近づいたように思います。
この時期に冬の寒さが底を打ち、少しずつ気温が上がり春に向かうとも言われています。
そう考えると、 新春 と言祝ぎ、来る春を心待ちにするのにふさわしい時期の様にも感じられますね。
お雛様を飾り始める時期は様々な考え方がございます。
家族が一堂に集まる正月の時期にお披露目も兼ねて飾るのもお祝い事にぴったりですね。
上で述べたように、2月に入ってから飾るのも、春を感じ楽しむのに丁度いい季節かもしれません。
祝い方はそれぞれですので、皆様が親しみを持って楽しみ、末永く大切にしていただける関係を見つけられればと思います。
人形巧房ひなやでは新春初売りに合わせて様々なお雛様を用意いたしました。
台や屏風、小道具なども様々に組み合わせることができますので、皆様だけのオリジナルのお雛様を飾ることができます。
お雛様に関することならなんでもご相談に乗りますので、どうぞお気軽にお越しくださいませ。
〈 シーズン中の営業時間について 〉
1月3日~5月5日まで無休で営業致します。
期間中、お客様の混雑を避けるため、
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また、午後5時以降の来店も対応させていただきます。
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